「医療大国」と世界から高い評価を受けている日本。国民皆保険制度に始まる世界に冠たる
日本の医療は、現場で働く医療従事者の「多大な負担」の元に成り立っているのが真実です。
そもそも医療に携わろうとする人には共通して「困っている人、苦しんでいる人を助けたい」
という、強い使命感を有しているという特徴が見られます。
しかし近年、その使命感に変化が起き始めています。若くにして、医療の世界から離れて
しまう若者が増加しているのです。大学や専門学校に3〜4年も通ってようやく念願の医療の
現場に立てるようになったのに、彼ら(彼女ら)はなぜ早々にリタイヤしてしまうのでしょうか?
私はこれまでの仕事で、様々な業種に就職する学生と接点がありましたが、医療業界に
就職する学生だけに見られるマイナスポイントは見られませんでした。むしろ自身の
進むべき道を若くして考えているだけ、仕事に対する熱意を強く感じるぐらいでした。
(世の中の多くの学生は、学生時代の終盤になって、自身の就くべき仕事を選択します。
大学に進学する時点で、自身の進むべき道を決められているのは、むしろ少数なのです。)
原因は意外なところにありました。辞めていく新人側ではなく、むしろ受け入れ側である
病院側にあったのです。それはこれまでの日本の医療の発展を支えてきた
「医療現場における教育制度」でした。医療業界における教育制度というのは、それぞれの
職種にとって必要な「知識」や「スキル」を高めることを目的にプログラムが設定されています。
この研修が、技術職である医療現場において必要不可欠なものであることは
疑う余地はありません。
しかしながら、学生時代から知識やスキルを詰め込むことばかりを教えられてきた若者に
とって、それらを自身が取得する『意味』をしっかりと見いださなければ、社会人としての
成長につながらないのです。
学生時代には「国家試験の合格」という確たる目標があったために、懸命に勉強することが
できました。しかし試験に合格して、看護師に、薬剤師になった今、次は何を目標にして
進んでいけばよいのでしょうか?
自分自身の目標が定まらないまま、ただ医療従事者としての使命感だけで走っている新人を
見かけます。それはまるで「給油することのない車が高速道路を走っているようなもの」です。
いつか、ガソリンが切れ、周囲の流れについていけずにストップしてしまうのです。
医療の世界に「バーンアウト(燃え尽き症候群)」という単語があります。まさに、自分の
進むべき方向が見いだせず、闇雲に走って疲れ切ってしまう若者を表現するに
適した単語だと思います。
この状況を打破するために必要なものは、「医療人」として、また「社会人」としての
『CDP(Career Development Program=経歴開発計画)構築』であると考えています。
内定者期間(更に言うなら、職場としての病院を選定する段階から)、自身がなぜ
医療の世界に進もうと考えたのか、そして今から働く病院でどのような目標を持ち、
何を為し得るために日々の業務に取り組んでいくのか、ということを常に反復して自認し続ける
環境を提供することで、社会人として常に目指すべき目標を持ちながら日々の業務に
取り組めるようになります。
当社では、これまで日本の病院において為されている通常の技術教育にプラスする形の
新たなCDP研修を付加することで、スタッフの定着化を図り、ひいてはそれが病院の組織力の
向上につながっていくことで、医療業界の発展に寄与していきたいと考えています。
社名である「(株)HRシンフォニー」は「Human Resource(=人的資源)の
Symphony(=調和)を図る」ことを目的にしています。
これからの日本の医療を支えていく若者達。彼ら(彼女ら)が継続して
医療に携われるような環境を提供するお手伝いをさせて頂きます。
平成20年2月 代表取締役社長 立石 隆